■「食べなければ痩せる」が通用しなくなる理由
食事制限だけでダイエットをしようとすると、40代以降は思った以上に体が抵抗してきます。
カロリーを減らすと体は「飢餓状態だ」と判断して、基礎代謝を下げて省エネモードに入ります。これはホメオスタシスという体の恒常性維持機能で、年齢とともにこの反応が敏感になってきます。
20代なら少し食べ過ぎても翌日調整できていたのが、40代以降は少し食べ過ぎただけでもしっかり蓄積される。でも食べるのを減らしてもなかなか落ちない。このアンバランスが「40代は痩せにくい」という実感につながっています。
■エストロゲンが減ると、脂肪の性質が変わります
女性に特有の話で、40代以降はエストロゲンというホルモンが減少してきます。
エストロゲンには脂肪の代謝を助ける働きがあるんですが、これが減ると同じ食事量でも脂肪がつきやすくなります。しかも脂肪のつく場所が変わって、皮下脂肪より内臓脂肪がつきやすくなる。
内臓脂肪はお腹まわりに蓄積するので、体重はそれほど変わっていないのにウエストが変わってきたという感覚はここから来ています。
食事を減らすだけでは内臓脂肪に効率よくアプローチしにくくて、有酸素運動を組み合わせることで内臓脂肪が落ちやすくなるというのはこのためです。
■筋肉が落ちると、食べなくても太る体になります
40代以降は何もしなければ年間1〜2%ずつ筋肉が落ちていきます。
筋肉は何もしていなくてもエネルギーを消費する組織で、筋肉1kgが1日に消費するカロリーは脂肪の約3倍です。筋肉が落ちると基礎代謝が下がって、昔と同じ量を食べているのに太るようになっていく。
食事制限だけで体重を落とすと、脂肪だけじゃなく筋肉も一緒に落ちます。筋肉が落ちた状態で食事を元に戻すと、基礎代謝が下がったまま食事量が戻るのでリバウンドしやすくなる。これが「ダイエットを繰り返すほど痩せにくくなる」という現象の正体です。
■精神面の話、実はここが一番大事かもしれない
40代以降のダイエットが難しい理由として、意外と語られないのが精神面の話です。
コルチゾールというストレスホルモンが、40代以降は影響を受けやすくなります。コルチゾールが高い状態が続くと、体が脂肪を蓄積しやすくなって食欲も増えやすくなる。
仕事・育児・家事・介護。40代~50代は人生の中で一番ストレスが重なりやすい時期でもあって、精神的な疲弊が体型に直結しやすくなっています。
「意志を強く持ってダイエットしよう」という気持ちがあっても、ストレスが高い状態では脳が食欲にブレーキをかけにくくなる。食事制限だけでやろうとすると、このストレスがさらに追い打ちをかけてくるんです。
■運動が精神面を支える理由
ここで運動が入ってくるんですが、有酸素運動にはコルチゾールを下げてセロトニンやドーパミンを増やす効果があります。
「運動した後に気分がすっきりする」という感覚、あれはストレスホルモンが下がって幸せホルモンが出ているからで。食事制限だけでダイエットをしようとすると「我慢している」というストレスが積み重なりますが、運動を習慣にすると気分が整ってくるので食欲のコントロールもしやすくなっていきます。
食べないことで体を追い込むより、動くことで体と気持ちを整えていく。ミドルエイジ世代のダイエットはそっちの方が無理がない気がしています。